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‘音’をきっかけに心通わせる
ピュアな大人のラブストーリー

 隣人がどんな人なのかわからないというのは、都会に住んでいるとよくあること。私も新婚の頃に5年ほどマンションに住んでいましたが、一度もお隣さんとは顔を合わせたことはなかった。夕食時の‘団らん音’が毎日ほぼ19時に聞こえてくるので、ご主人はお役所勤めだ! と勝手に思いつつ、楽しそうな声が羨ましかった覚えがあります。

 本作は、まさに同じアパートの隣人同士が部屋の壁越しに聞こえてくる何気ない‘生活音’を感じながら、お互い惹かれあい恋に落ちるまでを丁寧に描いている恋愛プロローグ映画です。

 主人公のプロカメラマンの聡は、本当に撮りたい写真を模索中、お隣に住む七緒は花屋で働きながらフラワーアレンジメントの資格をとるためフランス行きを決意。30才になり人生の岐路に立つ二人のように、30歳前後というのは、仕事も恋愛もそこそこ経験し、自分の方向性に迷いが出る年頃。本作は恋愛映画ですが、二人が人生の転機に揺れる姿や他人との関わりを描いた青春群像劇でもあります。

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ストーリー

本当に撮りたい写真を模索するカメラマンの聡(岡田准一)、フラワーデザイナーを目指して花屋で働きながら、フランスへの留学を目前に控えた七緒(麻生久美子)。アパートの隣に住むふたりは、顔を合わせたことはないが、壁越しに聞こえてくるお互いの生活音に安らぎを感じていた。

 さて、物語の鍵となるのは‘生活音’。聡のチェーンキーホルダーが揺れる音、コーヒー豆を挽く音、そして七緒が爪を洗う音、フランス語の練習をする声などが「もうひとりの主役」としてこの恋愛物語を引き立てています。物語の後半に、二人がニアミスするシーンが何度かありますが、もちろん二人は出会っていることに気づいていません。すれ違い様にチェーンキーホルダーの音に七緒が「アレ?」と思ったり、雑踏の中から聞こえる七緒の声に反応する聡の表情などをうまく映し出しているので、観ている側はとても歯がゆいんです。

 鑑賞後は、なにげない‘生活音’ が愛おしくなると思います。安らぎを感じる音、なつかしい声。耳を澄ませば、日常で忘れがちになっていることの中にある大切なものが見つかるかもしれませんよ。 (映画パーソナリティ・松岡ひとみ)

データ おと・な・り

  • 監督熊澤尚人
  • 出演岡田准一/麻生久美子/岡田義徳/池内博之/市川実日子
  • 公開5/16(土)~伏見ミリオン座ほか
松岡 ひとみ  Hitomi Matsuoka  (映画パーソナリティ)  TV、ラジオ、雑誌で新作映画をナビゲート。試写会や舞台挨拶などの司会も務める。オピ・リーナ読者に向けて、独自の視点から「デート映画」と「お友達映画」を紹介します。