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大竹敏之のでらうま名古屋めし探訪
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「キャラバン」のイタリアンスパゲッティ

イタリアンスパゲッティ750円。ランチタイムのセットはサラダ、ドリンクがついて880円。
イタリアンスパゲッティ750円。ランチタイムのセットはサラダ、ドリンクがついて880円。

赤ワインで煮込むソースで喫茶店B級グルメが本格洋食の味わいに!

 ケチャップで炒めたスパゲッティ、通称“ナポリタン”。日本生まれの洋食で、主に戦後、喫茶店や洋食店で広まったと伝えられます。これが名古屋で独自に進化したのがいわゆる鉄板スパ。考案者がイタリア視察で着想を得たことから、古くからの店ではイタリアンスパゲティと呼ばれることも多いようです。

 ルーツは昭和30年代半ば。名古屋の喫茶店主らが組合の視察旅行でイタリアを訪れました。本場のスパゲティ料理のおいしさに感動しつつも、「途中で冷めてまうがや・・・」と不満を抱いたのが現在も東区に残る「喫茶ユキ」の初代マスター、丹羽清さん(故人)。帰国後、最後までアツアツで食べられるようにと鉄板皿を使うことを思いつき、さらに麺が焦げつかないよう卵を流し入れる工夫を施しました。このイタリアンスパゲティがヒットし、名古屋の喫茶店中に広まったのです。

 大半の店はケチャップで味つけをし、これがどこか懐かしい魅力にもつながっていますが、ひと味違う本格洋食の味わいを堪能できるのが「キャラバン」です。

2代目マスターの大保康高さん
2代目マスターの大保康高さん
オリジナルの元祖台湾まぜスパ Sサイズ972円
ユニークな鉄板モーニング。コーヒー400円などドリンク代だけで焼きうどんか焼きそば、目玉焼き、トースト、サラダついてくる。開店から10時半まで

 「父が昭和56年の創業当時につくった味を引き継いでいます」という2代目マスター・大保康高さんが30年以上守り続けているのがイタリアンスパゲティ専用のソース。味の決め手は赤ワイン。豚肉、玉ねぎ、マッシュルームなどと合わせてじっくり煮込み、ひと晩寝かせて丸みを出します。

 このソースを引き立てるために、麺のゆで加減や具、そして鉄板スパの最大の特徴である卵にもひと手間が。喫茶店のスパゲティは柔らかくゆでたものが多いのですが、ここでは適度にコシのあるアルデンテにゆで上げます。卵には生クリームを加え、とろとろかつまろやかなコクが。具の玉ねぎもしんなりするまで十分に炒めてあります。これらがアツアツの鉄板の上でひとつにまとまることで、B級グルメを越えた満足度の高い味わいが実現されているのです。

 数年前からのナポリタン人気再燃、さらに名古屋めし人気の相乗効果もあって、イタリアンスパゲティを目当てに遠方からやって来る人も少なくありませんが、基本はあくまで喫茶店。当然、モーニングサービスもあり、ここでも鉄板が大活躍。トーストの横に焼うどんか焼きそば、そして目玉焼きが盛られ、アツアツで食べられます。

 何かとこだわる上に基本的にマスターが1人でフライパンを振るっているため、週末や混雑時は少々時間がかかることには大目に見てもらいたいところ。待ち焦がれた後には納得の美味との出会いが待っています。(写真撮影/すべて筆者)

ステンドグラスが印象的ないかにも昭和風味の喫茶店らしい店内
ステンドグラスが印象的ないかにも昭和風味の喫茶店らしい店内
店内の様子
店内の様子

そうだったのか!名古屋めし

 鉄板スパゲティの元祖、昭和28年創業の「喫茶ユキ」(名古屋市東区)。イタリアンスパゲティのメニューづくりにあたっては、地元のメーカーと共同で専用の鉄板皿の開発も行ったそう。適度な熱さが保たれる厚さや、とき卵を流し込んでもこぼれない深さなど試行錯誤を重ねた末に最適な鉄板皿が完成しました。

 また、上にも記した通り、きっかけは喫茶店の組合の視察旅行。昭和30年代にイタリアまで団体旅行したとは、当時の喫茶店主らの羽振りのよさがうかがいしれます。加えて、ひとつの店のヒットから市中に広まったというのも、名古屋の喫茶店同士の横のつながりの強さがあったから。さらには鉄板皿を開発したメーカーも、喫茶店の新メニューに有望なビジネスチャンスを見込んでいたとも考えられます。鉄板スパが名古屋で生まれて広まった背景には、喫茶店王国ならではの業界事情があったのです。

キャラバン

キャラバン

住所:名古屋市東区泉2-3-22カーサ南白壁1階
TEL:052-931-3898
営業時間:7:00~21:00
定休日:火
駐車場:4台
アクセス:地下鉄高岳駅より徒歩7分

(2019年02月28日)

大竹敏之

大竹敏之(おおたけとしゆき)

「おいしい名古屋めしのお店、連れてって」。今や地域の名物にして観光資源にまでなっている名古屋めし。他県から来た友人知人にこんなふうに頼まれることも多いはず。しかし、そこで、はたと悩んでしまう人もまた多いのでは? 地元っ子も知ってるようで意外と知らない、名古屋めしの本当に“うみゃ~”店を、名古屋めしライターこと大竹敏之がご案内します。

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