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澤田貴美子の「つながる“いのち”」
澤田貴美子の「つながる“いのち”」

第71回 『市民公開講座 無痛分娩の安全性について』

3月に入ったとたんに、日中は暖かい日が急に増えてきましたね。
卒業シーズンに突入して、あちこちから素敵なシーンが目に入り、春の訪れを感じる今日この頃です。

先日も、東京に向かう際に、名古屋駅で袴姿の女性をたくさん見かけました。
希望がいっぱいの旅立ちの日を迎えたみなさんの表情が、とても晴れやかで清々しかったです。

東京に向かった目的は、この講座へ参加するため。

平成29年度
厚生労働省行政推進調査事業費補助金(厚生労働科学特別研究事業)
「無痛分娩の実態把握及び安全管理体制の構築についての研究」主催

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『市民公開講座 無痛分娩の安全性について』

このお話がどうしても聞きたくて、足を運びました。

ここ数年、特に耳にする機会が増えた「無痛分娩」というキーワード。
関わらせていただいている妊婦さんたちの中でも、会話の中でこのキーワードが出てくる機会がかなり急激に増えていて、関心度の高さを感じます。

この事にとても関心があったので、急きょ30人の方を対象にアンケートを取ってみたところ、「無痛分娩に関心がある」という方が初産婦さんで20%、経産婦さんで40%でした。
アンケートの中で、私がとても危惧を感じた点。
それは、関心があると感じている方の中で、無痛分娩について、どこから知識を得た事があるか、という質問に対して、インターネットでの検索、という答えがほとんどだったという点です。
今回、なぜ無理してでもこの市民公開講座に参加したいと思ったか、といいますと、私自身も、無痛分娩について実際に麻酔科の先生からのお話を直接聞ける機会が少なく、麻酔科の先生がお話してくださる無痛分娩のメリットとデメリットを自分の耳でどうしても聞きたかったからです。

今回のコラムでは、この市民公開講座に参加して、私自身が感じた感想を綴りたいと思います。
(あくまでも私の主観ですので、ご了承くださいませ)

インターネットで検索すれば、何でも調べられる現代社会。
そこには、正しい事もあれば、そうでない事もあります。
文字で読み取るだけの情報入手の方法は手軽ですが、自分の耳で聞く言葉や、その場の空気間から感じ取れるものというのは、その物事を判断する際、自分の感覚を信じて受け取るという上で、とても大切だな、と日々感じます。

そういった意味でも、今回この市民公開講座に足を運んでみて得た事がたくさんありました。

限られた時間の中で、複数の先生からのお話があったので、あっという間に終わってしまった感じではあったのですが、北里大学で無痛分娩に関わっていらっしゃる麻酔科医の加藤里絵先生からのお話は、一般向けにも無痛分娩をとても理解しやすい内容のお話でした。

お話の内容は、お産の痛みについてのお話から始まり、無痛分娩の出産の際の、陣痛中や産後の過ごし方やその時の状態、そして、メリットとデメリット。
特にデメリットの中でも副作用についての詳細、硬膜外鎮痛と、脊髄くも膜下硬膜外併用鎮痛についてなど、とてもわかりやすくお話をしてくださいました。

こうやって直接耳にした内容は、とても理解しやすく、やはり、このような内容を直接聞ける機会が増える事の大切さを感じました。

厚生労働省研究班の北里大学病院院長の海野信也先生のお話によると、2017年8月に厚生労働省の研究班が発足したのは、2017年に相次いで報道された無痛分娩での重大事故の表面化を受けて、との事。

現在、無痛分娩を実施している施設は日本中にありますが、無痛分娩の方法や、出産の際にどのタイミングで鎮痛剤を使うのかは、それぞれの施設によって違いがあり、その詳細がHPで示されている施設もあれば、無痛分娩やっています、としか示されていない施設もあるのが実際です。

まして、無痛分娩の実施数などの開示がされている施設がとても少ないという現状。

無痛分娩施設の中には、無痛分娩教室などが行われている施設もありますが、全ての施設で実施されているわけではありません。

安全な施設を選ぶための情報が、あまりにも少ないなと感じます。

厚生労働省研究班
「無痛分娩の実態把握及び安全管理体制の構築についての研究」による安全な無痛分娩のための望ましい体制案として、産婦人科専門医は、自らの麻酔科研修歴及び麻酔実施歴、無痛分娩実施歴について情報を公開することや、

必要な研修履歴公開
・安全な麻酔実施のための最新の知識を獲得し、技術の向上をはかるための講習会
・産科麻酔に関連した病態への対応のための講習会
・救急蘇生コース受講歴

などが挙げられていましたが、これらはこれから進めていく案との事で、必要な研修のシステムさえまだ構築されていないのが現状で、早急に進めていく必要があるとのお話に、少し驚きを感じました。

今後は、この情報公開をすすめること、研修等の実施体制を作り上げる事が早急の課題だそうです。
そして、現時点での情報収集はまだ不十分で、今後参考になるサイトを作っていく予定、との事でした。

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だとしたら・・・今、どうすればいいの?という話です。
今、無痛分娩について知りたい!施設選びはどうしたらいいの?という場合。

無痛分娩については、加藤里絵先生がお話してくださった内容は、 日本産科麻酔学会のサイトの、無痛分娩Q&Aに基づいたお話との事で、海野信也先生からも、加藤里絵先生からもこちらが信頼できるとの事でしたので、ご参照いただけたら、と思います。
http://www.jsoap.com/pompier_painless.html

そして、今の時点で無痛分娩の施設選びの際に、副作用についての説明をしっかりと受ける事、副作用による不具合が起きた時に、その施設としてどんな安全対策をとるのかをご自身で前もって直接確認しておく事が大切とのお話でした。

無痛分娩についての議論は、とかく「無痛分娩が良い」とか「自然分娩が良い」とか、どちらが良いかという観点での議論になりがちですが、まずは無痛分娩について知ることやその安全性について正しく知ることが大切だな、と感じます。

今回の市民公開講座には、報道関係の方も複数いらっしゃっていました。

NHKニュース 
https://www3.nhk.or.jp/shutoken-news/20180304/0008768.html

インターネットからの情報だけではなく、今回の様に市民公開講座などで、直接、専門の先生方から一般向けにわかりやすくお話をしていただける機会がもっともっと増えますように・・・。

次回の『澤田貴美子のつながるいのち』をお楽しみに。

(2018年03月08日)

澤田貴美子

澤田貴美子(さわだきみこ)

フリーの産前産後フィットネスインストラクターとして、各地の産婦人科クリニックにて、妊娠中や産後、メノポーズ(更年期)の女性への運動指導・乳幼児と母親への育児支援などに従事。また、公益社団法人・誕生学協会認定“誕生学アドバイザー”として、幼児から大学生など幅広い年齢を対象に、いのちの授業「誕生学®」を届けている。

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