神野三枝 タレント
~お知らせ~ 「何度も何度も読みました。そして胸が苦しくなり、涙が止まりませんでした」「私にとって人生の教科書」・・・08年3月から3年にわたり連載、多くの反響を呼んだ神野三枝さんのコラム『礼状』に、新たに書き下ろしの文章を加えた自叙伝『母への礼状』が発売されました。 お問い合わせは風媒社(052-331-0008)まで。 http://www.fubaisha.com/

第33回『韓国の旅(18)FTISLAND×美男<イケメン>ですね』

韓流ブームから10年、このタビコラの「韓国の旅(13)」で書いたように、日本人において韓流の始まりは『冬のソナタ』であると認識している人々が圧倒的に多く、実はそれ以前からすでに日本にあった、韓国のエンターテイメントについては、忘れてしまっている傾向があります。

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映画『シュリ』、女優のユン・ソナ、紅白歌合戦にも出場された演歌歌手、チョ・ヨンピルケイ・ウンスクキム・ヨンジャ、ポップスシンガーBoAなど。
ここに名前を挙げたみなさんが日本で活躍されたのは、冬のソナタ以前の事です。しかしながら、当時は優秀な映画や、実力のある歌手が日本で話題になっただけの事で、韓国芸能界全体が、現在のように日本を市場ターゲットにしている状況とは違いました。


ところが冬ソナがブームになると、様々な経済効果を生んだことから、韓国エンタメが、日本を本格的に市場としてとらえ始め、その枠はドラマだけにとどまらず、音楽の分野にも広がり、日本のJ-POPとの比較語として韓国のポピュラー音楽を表現するK-POPという言葉が生まれました。


BoAに続いて、神話Sugerリナ・パークSE7EN東方神起SS501BIG BANGFTISLANDCNBLUE2PM超新星KARA少女時代4Minuteなど、次々と日本デビューを果たし、日本において新ジャンルであるK-POPの土台固めをしてきました。
そのほとんどが大人数のグループで、歌とダンスのパーフォーマンスが主流の中、韓国にもバンドがあるのかと認識させたのが、FTISLANDの存在でした。


考えてみれば、韓国にバンドが無いと考えるのがおかしな話で、それはあたかも、外国人は、いまだに日本にはサムライがいると思っているのと同じぐらい滑稽な話ですし、現にSBSで2010年に放送されたドラマ『カムバック マドンナ~私は伝説だ』を観れば、音楽の浸透は日本と同じであることはわかるのですが、なにせ日本にK-POPが入ってきた時に、アイドルダンスグループばかりだったため、韓国にはバンドはないのでは?と勝手な想像をさせたのでした。
そこへ、満を持して登場したのがFTISLANDとドラマ『美男ですね』の存在。
遅ればせながら、我々は、韓国にもバンドがあるのね~とおかしな再認識をしたのです。


FTISLANDは2007年にアルバム『Cheerful Sensibility』で本国デビュー。
その後2008年に日本に短期留学ののち、インディーズデビュー。
2年後の2010年に『Flower Rock』で日本メジャーデビューを果たしました。
K-POPとは一線を画したロックバンドのデビューでした。


その、ロックバンドの日本市場の先駆者であるFTISLANDが10月1日、Zepp Tokyoを皮切りに、6都市10公演のライブを開催しました。ファイナルは10月29日のZepp Nagoya。
その日、Zepp Nagoyaの周辺は、FTのシンボルカラーである黄色を身に着けた全国から集結したファンで溢れ返っていました・・・。
ここからは、ライブの取材手記です。


■■ FTISLAND AUTUM TOUR 2013 -REPLAY- ■■
オーロラのような青い光のメンバーが登場すると、イ・ホンギの神がかった声が、天の闇を貫くように、静寂した会場に雷を落とした。
一言一言に、魂を込めるように、言葉を大切にして。


長いツアーも最終日。
彼は夕方4時に仕事を済ませ、仮眠をとり、ライブ直前の6時半に起きたという。
「今日はみんなと遊ぶ感じでやります。」と挨拶をした彼。


歌い出した歌詞にこんな内容があった。
『思い出は華やかに僕らの切なさを隠すけれど、思い出のその先は、僕らの新しい日々が待つ・・・』


華やかに見える彼らの音楽活動の中で、心の葛藤や、精神的ダメージ、屈辱的な経験も飲み込んできたようにさえ感じるその歌詞の中から、隠された苦しい過去の現実に、足の向きを変えることなく走り続けてきた、彼らの精神力が伺えた。
この強さの先には、乗り越えて来た者だけが味わえる、新しい日々が待っている・・・。そんなメッセージが伝わってくる。

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今回のツアーは、セットリストを決めるのが、とても難しかったと語るイ・ホンギ。
昔と今、音楽のスタイルが全く違う過去と今を、1つのステージで表現するのに、頭を悩ませたと言う。

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後半、彼の邪念の全てが振り落とされ、魂の歌声に吸い込まれるように空気が澄んでいくようだった。

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イ・ホンギは、電力容量をオーバーした電気製品のようだ。
コンセントからは、エナジーの火花が飛び散り、爆発も辞さない勢いだ。
会場の四方の壁を這うように照明の光が回り始めた。彼らから目を離さないでいると、3D写真を見ているように照明の光が停止して見え、彼らと観客が会場を360度、グルグル回っているかのような錯覚に陥った。それはまるで遊園地のアトラクションに乗っているような、なんとも不思議な感覚だった・・・。


若干16歳、若くしてデビューした彼らは、当時を振り返り、「あの頃、俺らはキラキラしていた」と語り出した。


デビューして7年。事務所で最初のデビューバンドとなった彼らにとって、先輩という存在がいないデビューだった。それゆえ、いつの時代も、先頭を走らなければいけなかった。ただ感じられるのはプレッシャーばかり。自分たちが壊れたら、この後に続く後輩が先を走れなくなるという責任感とプライドは、常に彼らにつきまとい、恐怖が彼らを苦しめ続けたと言う。


デビューして、すぐに大人気となった彼らは、観客席が満員であることが当然であり、不安を抱いたことが1度もなかったそうだ。ところが新しいバンドが次々と登場し、これまで当たり前だった人気が、ありがたいことであったことに、ようやく気づいたと言う。だから彼は言った。
「誰かが、僕らを見に来てくれるだけで、素晴らしいことだと思う。そして、そのことに気づいたことが、自分にとって、とても幸せなことだと感じている。」

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KーPOPの王者とも言うべき頂点に君臨する彼ら、そのボーカルであるイ・ホンギが出演したドラマ『美男ですね』が大ヒットしたのは、彼らが二枚目のアルバムを制作している最中だった。誰の目にも順風満帆に見えた彼であったが、本人いわく、あの頃は、ただ辛いばかりの日々だったと言う。彼にとって、ベストな状態とは、全てのエネルギーを持って、完璧なコンディションでライブに臨むこと。ところが現実は、ドラマ撮影の合間の音楽活動。体力も精神力も消耗するばかりの状況は、彼にとって、決して本意ではなかった状況であったのだ。こうした葛藤を乗り越えてきたからこそ、音楽への情熱と精神力が研ぎ澄まされてきたのであろう。

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これだけの人気者も、ライブのたびに、みんなが見に来てくれるか不安になると言う。こうした心配に何度も何度も悩まされ、いつもいつも感謝でいっぱいだと声を詰まらせた。
「僕らとみんなの関係は、どちらか一方がその関係を断ったら、すべてなくなってしまう関係。国も違うから、心配になることもある。だからこそ、いつも大事に思っているし、この関係が永遠であるために、一緒に理解しあい、努力をしていく。」と熱く語った。


最後に、「今日もまたみんなに力をもらいました。俺らがキラキラ輝くのは、みんながキラキラしていてくれるからです。ありがとう、幸せです!」とステージを降りて行った。


・・・イ・ホンギはいつも頭を悩ませ、常にひたむきな思考の持ち主だ・・・。

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Zepp Nagoyaで行われたFTISLANDのライブの模様は、
CS放送「TBSチャンネル1」にて放映されます。

「FTISLAND AUTUMN TOUR 2013 -REPLAY-」
【TBSチャンネル1】12/8(日)午後11:00~深夜1:00

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2014年1月22日
12th SINGLE「beautiful」
発売決定!
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イ・ホンギは幼少期から子役として活躍し、チャン・グンソク主演の韓国ドラマ『美男ですね』にジェルミ役で出演。2010年にオンエアされた日本でも、大ヒットとなり人気が急上昇。まさか、この大ヒットの陰に、イ・ホンギの苦悩と葛藤があったとは・・・。
そして日本のテレビドラマ『マッスルガール!』他に出演、初主演映画『フェニックス~約束の歌~』は、"死"を前にして、残していく者と残されていく者それぞれの交錯する思いを爽やかに描き、限りある命の大切さを教えてくれる感動作です。


今回のロケ地は、韓流ドラマの中でも、ラブコメ部門大ヒット作となった『美男ですね』のロケ地をご紹介しましょう。

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◆ドラマの第1話のオープニングでミニョが見習い修道女として暮らしていた頃、聖堂の庭園として登場し、ミニョ(パク・シネ)が庭を駆け抜けるシーン
◆ダビデ像を掃除している場面、第1話のエンディングで、ミナム(パク・シネ)となったミニョが、修道院長に不思議な夢を告白している夢のシーン
◆第8話でジェルミ(イ・ホンギ)の伝説のシーン


この3場面はいずれも、『碧草池文化樹木園(ビョクチョジムナスモグォン)』という公園で撮影されました。
場所はソウル近郊の京畿道 坡州市 広灘面 倉満里にあり、4万坪の広大な敷地に広がるテーマ別の美しい庭園です。
ソウルから車で約1時間半弱の距離で、地図で言うと、ソウルの上(北)になります。


入場門を入ると、ヨーロッパのお城の庭園を思わせる彫刻公園が広がっています。

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ここは、SBSドラマ『私の期限は49日』にも登場しています。
門をくぐると数々の彫刻が飾られており、オープニングで庭園の中をミニョが駆け抜けるシーンが撮影されました。

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ミニョが掃除をしていたダビデ像は奥にあります。

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ドラマでは背後方向からのシーンが多かったですね。
中央には、ヨーロッパ式の噴水が設置されています。

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第8話のジェルミ(イ・ホンギ)の伝説はここで撮影されました。
ジェルミのお祖父様がスコットランドの貴族で、英国王位序列23位のエイミー皇女がジェルミのフィアンセだった、という説明のシーンで、ジェルミがエイミーとこの噴水の前でダンスを踊った場所です。


神秘的な美しさから、秘密の花園とも呼ばれている庭園です。
芝生の広場にはギリシャ神話に登場する神々の彫刻が飾られているゼウスガーデンがあります。

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ここは、第1話のエンディングでミナムが夢の中で、修道女長様に不思議な夢を見た話をする場面で、A.N.JELLの3人(チャン・グンソクイ・ホンギチョン・ヨンファ)が立っていたシーンが撮影された場所です。


この庭園は、他にも『花より男子』『屋根部屋の皇太子』『根の深い木』『ペク・ドンス』の撮影も行われています。韓国ドラマの優雅な庭園シーンには欠かせないスポットです。


さてFTISLANDから重大発表がありました。
所属事務所のFNCエンターテインメント初となるファミリーコンサートの開催が決定。『2013 FNC KINGDOM IN JAPAN -Fantastic & Crazy-』は年末2DAYSで開催されます。出演はFTISLANDCNBLUEJUNIELAOAN.Flyingまで総出演の予定。


また、11月10日、11日に東京ビッグサイトで開催された、世界最大級のネイルイベント「東京ネイルエキスポ2013」で「ネイルクイーン2013」授賞式が行われ、
ネイルブック「LEE HONGGI NAIL BOOK」を出版したイ・ホンギがメンズ部門で受賞。ネイルのデザインは、ひらめくと、その場でスケッチしておく、と芸術面での才能も遺憾無く発揮しているイ・ホンギ。
ロックバンドのボーカルとして魂の歌声で魅了するイ・ホンギと、屈託のない笑顔で柔らかい空気を醸し出す俳優イ・ホンギ。まるで違う3つの顔を使い分けて、観衆の心を捉えて離さない彼の才能は、天性とひたむきな生きざまの上に成り立っているのでした・・・。


次回もロケ地盛りだくさんのタビコラを、どうぞご期待ください。


つづく




追記:タビコラに出てくる情報的な内容は、すべて旅行当時の状況ですので、現時点と違いがある場合があると思われます。あらかじめ、ご了承ください。
旅行ガイドとして捉えて頂くより、読みもの、コラムとして受け止めていただけますと幸いです。神野三枝


(DVDクレジット)
『美男<イケメン>ですね』
デラックス版 スペシャルプライス DVD-BOX1&2
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各8000円+税
発売元:カルチュア・パブリッシャーズ
販売元:東宝

神野三枝 プロフィール
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コメント

ぷみりん: 2013年12月 9日 15:11

神野さん、ホンギ、そしてFTISLANDの話題を書いてもらってとても驚いたし嬉しかったです。今回のZeePツアーはチケットが取れず行けなかったのですがこのコラムを見てホンギ達はこれからも頑張っていってくれると思えました。アイドルとしてデビューして今はバンドとして1番を目指している彼ら!!私もメンバーから見ればお母さんぐらいの年齢ですがこれからも応援していこうと思いました。

これからもタビコラのコラム、楽しみにしています。

けいちゃん: 2013年12月22日 13:51

韓流ブームといわれてもう10年ですか・・・
うちの父はその更に何十年も前から韓国の音楽を聴いてましたよ。
チョー・ヨンピルさんとか(笑)
そして当時まだほとんどなかった韓国料理店にも連れていってもらいました。

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